仕事のストレスで給料を洋服に変えていた研修医時代
後期研修医になって、一般のOLより少し良いお給料が入るようになった。
けれども、それでも私の貯金残高は増えるどころか、
カードの支払いで首が回らなくなりそうだった。
慌ててリボ払いに変更して、その次の月からの消費を減らして
なんとかつないだこともある。
私が就職した病院は、
女医たちがものすごくオシャレで煌びやかだった。
「バッグを100個持っています」なんて人もいたし、
毎日フルメイクで、高そうな洋服で通うのが当たり前の世界だった。
だから私も、稼いだお金でキレイにしなくてはいけないと思っていたし、
美容院にも頻繁に行き、服もバッグも何度も買い替えた。
女医たるもの、そうしなくてはいけないと思っていたのかも知れないし、
何かとストレスのたまる下働き時代で
自分を飾るくらいしか自己実現の方法がなかったように思う。
あの頃、様々なファッションを試したことは、
悪い経験ではなかったのかも知れない。
実際、自分のファッションのスタイルができるには、
色々な物を着て経験値を上げることが必要だと、
パーソナルスタイリストの方から聞いたことがある。
そしてあの頃に買った服は、実際に私の世界を広げてくれた。
今思えば、着飾らなくても自己実現はできる。
いや、シンプルなものを身につけることでできる自己実現もある。
当時の自分にそれを教えたら、
今頃もっと資産があったかな?